熱愛発覚中
「そうだ」

牛島さんのお父さんは何かを思い出したような顔をすると、
「蓮司に頼みたいことがあるんだ」
と、言った。

「今から売店に行って新聞とお茶を買ってきてくれないか?」

「あの、お買い物でしたら私が代わりに…」

「いいよ、俺が行くから」

名乗りあげようとした私をさえぎるように、牛島さんが言った。

「莉理は初めてここへきたんだし、売店の場所なんかわからないだろう?」

「そ、そうだけど…」

「それに…」

牛島さんは私の耳元に顔を寄せると、
「父さんは、莉理と2人で話がしたいと思うんだ」
と、言った。

「えっ、そうなの…?」

牛島さんはフッと口角をあげて笑うと、
「だから、頼んだ」
と、私の肩をポンとたたいた。

「お、おう…」

何を話せばいいんだよ、おい。
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