熱愛発覚中
「じゃあ、行ってくるから。

2人して俺の悪口を言うんじゃねーぞ」

「言わないわ」

そう言い返した私に牛島さんは笑って返事をすると、病室を出て行った。

病室は、私と牛島さんのお父さんの2人だけになった。

それで何を話せばいいんだよ…。

初対面の人と話をするなんて、いくら接客業でもできることとできないことがあるっつーの。

心の中で牛島さんに文句を言っていたら、
「莉理さん、でしたね?」
と、牛島さんのお父さんに声をかけられた。

「あ…はい…」

私は返事をした。

「息子ーー蓮司のことは、どう思いですか?」

「ど…どう、ですか…?」

我が子の印象を聞かれていることはわかっている。

親だから我が子のことを聞くのは当然のことだろう。
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