熱愛発覚中
「いい人だと思いますよ。

ちょっとーーいや、かなりかなーー口が悪いところはありますけれど、いい人だと思います」

「そうですか」

牛島さんのお父さんの返事はそれだけだった。

当たり障りがない答え方をしたけれど、却ってよくなかったかな…?

でもあんまりヘタなことは言えない…と言うよりも、ヘタなことを言える訳がない。

牛島さんのお父さんは私の顔を見つめると、
「実を言いますと、僕と蓮司は血が繋がっていないんですよ」
と、言った。

「えっ?」

何を言われたのか全く理解ができなかった。

ジョーダンでも言ってこの場を和まそうとしているのかと思ったけれど、表情から察して見てもそんな訳でもなさそうだ。

「えっと…」

口を開いて言葉を出そうとするけれど、何を言えばいいのかわからない。
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