熱愛発覚中

「先輩の顔を引っ張るんじゃないよ！」

「莉理先輩が怖い顔をしているから悪いんでしょうが！」

我ながらごもっともとしか言いようがない返事が返ってきた。

「言いたいことを我慢するくらいだったら相手に向かってガツンと言ってやったらどうなんですか！？」

美世ちゃんは私に向かって怒鳴るように言った。

「莉理先輩が相手の嫌なところに目をつぶって我慢するから相手はつけあがったうえに他の女に取られたんでしょうが！

そうやって何でもかんでも我慢するくらいだったら相手に向かっていろいろと言ってやればいいじゃないですか！

相手とぶつかるだけぶつかったら何かが見えるかも知れないですし、それで関係がこじれてダメになったら“相手の一面を知れてよかった、それだけの関係だった”と思って割り切ればいいだけの話でしょう！」

早口でまくし立てるように言っている美世ちゃんに、私は気圧されることしかできなかった。