熱愛発覚中
「そうですよ!」

美世ちゃんは大きな声で元気よく返事をすると、私の肩をバシンとたたいた。

「イテテ、人の顔を引っ張ったうえに人の肩を強くたたくんじゃないよ…」

たたかれた肩を擦りながら私は美世ちゃんに言った。

全く、何ちゅー後輩だ。

先輩を敬うと言うことを知らないのか?

それとも、先輩を敬う心はお母さんのお腹の中に忘れてきたのか?

「莉理先輩がウジウジと悩みまくってるからでしょうが!」

…そう言えば、美世ちゃんって学生時代はバレーボール部に所属していたって言ってたな。

何で今頃になってそんなことを思い出したのかは自分でもよくわからないが、
「相手とちゃんと向きあってみるよ」

私は返事をした。

「グッドラック」

美世ちゃんは親指を立てて私に向かって笑った。
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