宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


「――宝さんっ!!」


 いつの間にか私は走って帰宅していた。
 一秒でも早く宝さんに会いたくて、息を切らして帰宅した。

 でも、家の中はシーンと静まり返っている。


「……まだ帰ってないか」


 それだけでこんなにガッカリしちゃうなんて。
 私は息が整うのを待ってから、着替えて夕飯の支度をすることにした。

 宝さんと一緒に料理をするようになってから、随分料理のレパートリーが増えたと思う。
 二人で食べるならちょっと手の込んだ料理に挑戦してみようかなって思えるようになった。

 それにしても宝さん、今では私より料理上手なんだよね。
 最初の頃はフレンチトーストを焦がしていたのに、今じゃ朝に仕込みをしてローストビーフを作れるまでになっていた。

 上達早すぎじゃない?って思うけど、元々器用なんだろうな――。


「うーん、意外と食材が余ってるな。買い物は行かなくて良さそう」


 冷蔵庫を開けて何が作れそうかアレコレ考える。
 そういえば、カレールーがまだあったような。今夜はカレーにしよう。

 まだルーがないと作れないけど、今後はスパイスからのカレー作りに挑戦してみても良いかもしれない。
 てゆーか宝さんならその内スパイスから作っちゃいそうかもしれない。


< 106 / 167 >

この作品をシェア

pagetop