宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
翌日は午前中からお客様との打ち合わせが入っていた。
杉石様との打ち合わせも順調に進んでいる。隼人様も毎回来てくださるようになった。
「私シンデレラが大好きでね!かぼちゃの馬車に乗るのが夢なの!」
「それはいい!かぼちゃの馬車に乗って登場しよう!」
……この無茶振りは相変わらずだけど。
沙耶香様が元気になられてお父様も嬉しいのだろう、何だかいつも以上にノリノリだ。
でも、
「沙耶香さん、かぼちゃの馬車は素敵だけど今から準備するのは大変だし、会場内を馬車で移動するのは大変だよ」
「隼人さん、それもそうね」
「だから移動は難しくても、かぼちゃの馬車を模したものならどうかな」
隼人様の言葉でピンと閃いた。
「それなら、お色直しの登場の時に馬車に乗るのはいかがでしょう?メリーゴーランドにあるような馬車のイメージです!動かないで乗るだけのものなら手配できますし、披露宴会場には大きなお庭があります。
窓のカーテンを開いたら馬車に乗った沙耶香様がいらっしゃるんです」
数々のセレブ婚を扱ってきたこのホテルならではの演出なら、過去に何度も手掛けている。過去の資料を読んで勉強していた時、似たような事例がいくつかあった。
手配先も記されていたし、何とかなると思う。
「隼人様は別の場所からガラスの靴を持って登場するのはいかがでしょう?」
「それ素敵だわ!!」
「流石は白金さん。お願いしてもいいですか?」
「お任せください」