宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
「本当はね、宝さんのこと信じたいの。彼が私にプロポーズしてくれた気持ちは愛があったって思いたい。でも……」
「でも?」
「自分に自信がなくて……っ」
マミちゃんは泣きじゃくる私に寄り添い、親身になって話を聞いてくれた。
「私、ずっと妹の旦那のことが好きだったの」
「え、それって滝島様?」
「そう」
優璃と碧の結婚式はマミちゃんもヘルプに入ってくれていたから知っている。マミちゃんは驚いて何度も瞬きしていた。
「十年以上ずっと好きだった。でも、彼が選んだのは妹だった。妹のことも大好きだけど、同じ顔なのに選んでもらえなかった。好きになってもらえなかったことをずっと引きずってるの……多分今も」
初恋は終わっても未だに優璃と比べて落ち込んでしまうのは、私の中で呪いのように縛られているからだと思う。
私は優璃みたいにかわいくなくて素直じゃないから。
素直になりたくてもなれないから。本当はすごくネガティブだから。
こんな自分がすごく嫌で仕方ないから、自信も持てないんだ。
「こんな自分がすごくきらい……っ」
「結瑠先輩……うぱお見ません?」
「え……?」
う、うぱお……?
きょとんとする私にマミちゃんはタブレットを持ってきて動画を見せる。
「うぱおです」
それはさっきマミちゃんが送ってきたウーパールーパーのキャラクターのアニメだった。
「これ私の従姉が好きなアニメでやたら勧めてくるから見るようになったんですけど、ノンストレスで頭空っぽにして見れるんですよ」