宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
いつの間にか涙は止まっていた。ハンカチは濡れてぐちゃぐちゃになってしまった。
マミちゃんは私の目を見て真面目な表情で言う。
「覚えてます?マミがまだ配属されたばっかりの時、お客様怒らせちゃったことあったの」
「うん、覚えてる」
「あの時結瑠先輩が庇ってくれたじゃないですか。一緒に謝ってくれてその後のフォローもしてくれて」
「ああ、そうね」
「びっくりしたんです、ずっと女はみんな敵だと思ってたから。あんな風に助けてくれる人がいるんだって。昔からマミ、あざといとか男好きって言われて女に嫌われてたから。まあ否定はしないけど」
「私はマミちゃんのそういうところ、すごく好きよ。マミちゃんが一生懸命努力してるのも見ててわかるもの」
「ほら!そうやっていつもマミのこと褒めてくれる。お客様とも親身に向き合ってて、結婚式終わる頃にはお客様とすっごく仲良くなってるじゃないですか。
仕事できて人のこと色眼鏡で見たりしないし、めっちゃ優しくて面倒見も良いし!結瑠先輩、すごいんですよ!」
「マミちゃん……」
「自信ないなんて言わないで!結瑠先輩は結瑠先輩でいっぱい魅力があるんだから!」
マミちゃんの言葉が嬉しくて、また涙が溢れそうになった。
今日は涙腺が馬鹿になってる。
「ありがとう……」