宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
人にはその人にしかない良さがある。あざといと言われるマミちゃんも、それは好かれるための努力をしているからだと思っていた。
自分にはできないからこそマミちゃんはすごいし、一生懸命なところが素敵だと思っていた。
それなのに私は、失恋した自分のことを卑下してずっと弱気になっていたんだ。
「ねぇ先輩、ちゃんと宝さんと話した方がいいんじゃないですか?」
「そう、だよね……」
わかってる、ちゃんと宝さんと話さなきゃいけないってこと。
わかってるのに、足踏みしてしまう自分は本当に臆病者だ。
「怖いんだ……結婚するんだって言われるのが。宝さんはあの金剛グループの御曹司だし結婚するように言われてたみたいだし……」
「それがなんですか!?結婚しろって言われたくらいで他の女と結婚する男なら、こっちから願い下げですよ!」
「でも、それが宝さんにとっての幸せなのかもしれない」
「じゃあ結瑠先輩はどうしたら幸せになれますか?」
「っ、」
私自身の幸せは――望んでもいいのなら、私の幸せはこれしかない。
「宝さんとずっと一緒にいたい」
宝さんのこと、これからも好きでいたい。願わくば私のことも好きになって欲しい。
宝さんとの宝石みたいなキラキラした生活を、これからも続けていきたい。