宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
改めて自分の気持ちに気づいた。
こんなの我儘すぎる願いかもしれないけど、これが本心なのだ。
私はこんなにも宝さんのことが好き。
好きで好きでたまらない。
「我儘言ってもいいのかなぁ……?」
「好きな人と一緒にいたい気持ちは我儘なんかじゃない、自然な気持ちですよ」
「そうかな……」
「それに結瑠先輩は我儘なくらいがちょうどいいと思います」
「あは、そっかぁ」
マミちゃんの言葉が私を包み込んで後押ししてくれる。
どっちが先輩でどっちが後輩かわからないけど、恋愛偏差値でいったら圧倒的にマミちゃんの方が上だ。
「ありがとう、マミちゃん。頑張ってみる」
「その意気です!よーし乾杯し直しましょ!結瑠先輩の恋愛成就を祈って」
「うんっ!」
ビールを注ぎ直し、もう一度乾杯した。
マミちゃんがいてくれて本当によかった。頼もしくてかわいい自慢の後輩だ。
「なんか急にお腹空いてきちゃった」
「食べましょ〜。結瑠先輩、明日仕事ですか?」
「あ、明日は休み」
「マミもです!もうこの際語り明かしましょうよ〜」
「ふふ、そうね。マミちゃんの話も聞きたいし」
「え〜」
その時私のスマホが鳴った。画面を見てドキッとする。
宝さんからだった。
「……あ」
「出てください!」
躊躇する私にマミちゃんはすかさずそう言った。
「話すんでしょ?」
「……うん」
深呼吸をしてから、スマホを取った。震える指先で通話をタップする。
心臓がバクバクうるさい。
「……もしもし」