宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 だけどその言葉を聞いた途端、私の頭の中は真っ白になった。


「宝さん、私のこと好きなの……?」


 同じ気持ちであって欲しいと願いながら、いざ告げられた二文字はあまりにも衝撃が強すぎた。
 思わず涙が引っ込んでしまう程だった。


「なんでそんなに驚くんだ?」

「だって、今までそんなこと一度も……」

「言ったことなかったか?これでも伝えていたつもりなんだが」

「い、言われたことないです、好きは……」


 宝さんは一度私を離し、そっと私の頬に優しく触れる。
 大きくてゴツゴツしていてちょっぴり冷たくて、でも優しくて安心する。


「好きだよ。結瑠のことが好きだ」

「……っ」

「初めて会った時からずっと好きだ」


 繰り返される愛の言葉が、私の心を溶かしてくれる。
 やっと自分の中にストンと落ちた瞬間、じんわりと広がって胸の中がいっぱいになった。


「私も、宝さんのことが……んっ」


 四度目の好きは言い終わる前に唇を塞がれた。
 すぐに離れてお互いの視線が絡み合い、引き寄せられるように唇を重ね合わせる。

 目の前の宝さんのことしか見えなかった。


「……結瑠、」

「っ、待って!」


 もう一度キスされそうになったけど、意を決して一旦ストップする。
 このまま流されてしまいたいところだけど、大事なことを確認しなきゃ。


「宝さん、その……婚約するの?」

「え?」


 宝さんは驚いたように私を見返す。


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