宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 真凛さんはモデル、宝さんもジュエリーデザイナーになるための勉強で忙しくなり、しばらくは疎遠になった。
 再会したのは宝さんがデザイナーになってまもなくのことだったそうだ。


「共通の知人を介して再会してな。その時俺の師匠にあたる人もいたんだが、その人に一目惚れしたらしい」

「えっ!?そうなの?」

「師匠はその後パリに行ったんだが、パリコレの出場権を勝ち取って追いかけていったんだ」


 確かに真凛さんの経歴にパリコレがあったけど、まさかそんな理由で出場権を獲得していたなんて。
 そのガッツとバイタリティが凄すぎる。


「あの、実は今日真凛さんと二人で歩いてるところを見ちゃったの」

「ああ、買い物に付き合わされてた時か。師匠が仕事で昼は別行動だから付き合えって言われたんだよ。勝手なやつだろう」

「会食は?」

「師匠もいたよ。で、結婚するんだそうだ」

「そうなの!?」

「真凛の指輪を見た時から多分そうだとは思っていたが」


 真凛さんが言っていた大好きな人っていうのは、宝さんの師匠のことだったんだ。


「真凛と二人でいるところに杉石さんと会ってな。ちゃんと否定したのに勝手に勘違いしたんだ。あの人、人の話聞かないから」

「それは……そうね」

「これで誤解は解けたかな?」

「あ、はい……」

「他に聞きたいことは?」

「師匠っておいくつくらいなの?」

「十二歳差だとさ。愛に年齢は関係ないらしい」


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