宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
確かに真凛さんのあの様子、年の差なんて関係ないんだろうなぁと思った。本当に幸せで仕方ないって表情をしていたことを思い出す。
「正直師匠と幼馴染っていうのは複雑さもあるんだがな……」
「元カノだし?」
「いやそれは別に。キッパリと言われたよ、俺を見返すためにモデルになったおかげで運命の人と出会えたって」
「そっか」
何だかカッコいいな、真凛さん。
お互いに恋人として歩んでいくことはなかったけど、今はそれぞれの道を進んで活躍しているのが素敵だ。
「で、俺にも聞かれた。運命の人とは出会えたのかって」
「出会えたの?」
「目の前にいる」
次の瞬間、ベッドに押し倒されていた。
あまりにも一瞬すぎて何が起こったのかわからなかった。
私を見下ろす宝さんの目が先程までと違った。
この目は見たことがある、あの夜と同じだ。強くて激しい熱情を孕んだ視線。
「――結瑠、もういいか?」
「っ!」
耳元で囁かれ、ゾクっとした。
「結瑠が欲しい」
真っ直ぐに私を見て、私のことを求めてくれる。それが嬉しくてたまらない。
宝さんに見つめられる度、どうしようもないくらい胸が締め付けられて苦しい。
苦しいのにどこか心地良ささえ感じて、もっとあなたに堕ちてゆく。
長い指が私の唇をなぞる度、もう逃さないと言われているようだ。