宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜

10.それでもあなたと



「改めておめでとうございます。沙耶香様、隼人様」

「ありがとうございます!」


 今日は杉石ご夫妻の結婚式。色々あったけれど、無事にこの日を迎えることができた。

 純白のウェディングドレスに猫を形どったティアラがとても綺麗だった。
 お色直しのドレスもティアラもよくお似合いだし、馬車に乗って登場する演出もゲストの皆さん喜んでくださっていた。

 初めて尽くしのセレブ婚、大変だけど無事に終えられてホッとしている。


「白金さんのおかげで素敵な結婚式になったわ!」

「身に余るお言葉です」

「それとごめんなさいね!宝さんのこと、パパが勘違いしちゃったみたいで」

「あっいえ」


 宝さんの婚約のことは誤解が解けてよかったけど。


「でもまさか宝さんと白金さんがなんて……♡」


 杉石様には思いっきり宝さんと付き合っていることがバレてしまった。
 一応職場にはまだ何も言っていないので、秘密にしてもらっている。


「すごくお似合いだと思うわ!ねぇ、隼人さん!」
「はい。お二人にはとてもお世話になりましたから、僕も嬉しいです」
「ありがとうございます」
「結婚式は是非呼んでくださいね!素敵な報告待ってるわ♡」
「あはは、そうですね……」


 やや引き攣った笑顔を浮かべるしかなかった。

 結婚、結婚かぁ……。
 そうよね、期待されるわよね……。


< 135 / 167 >

この作品をシェア

pagetop