宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 えっおばさん?
 驚いて宝さんと貴婦人を交互に見つめる。


「お疲れ様。杉石さんのお嬢さんのアクセサリー、全てあなたがデザインしたそうね。流石だわ」

「ありがとう」

「ところでこちらの方は?」


 おばさまはチラリと私に視線をやる。
 慌てて背筋をもっと伸ばした。


「わたくし、当ホテルのウェディングプランナーをしております――、」
「今お付き合いしている白金結瑠さんだ」


 宝さんの言葉に心臓が飛び跳ねるかと思った。
 一瞬迷ったけど、まだ仕事中だしご挨拶は改めての方が良いかと思ったのに。
 慌てて深々と頭を下げる。


「あ、はい、宝さんとお付き合いさせていただいております、白金と申します」

「まあ、宝ったらついにお相手を見つけたのね!」


 おばさまはパァッと表情を明るくさせる。


「それでどちらのお嬢さんなのかしら?お父様のお仕事は何をされているの?」

「え?えっと……」

「おばさん、そういうのは彼女に失礼だからやめてくれ」


 すかさず宝さんがフォローしてくれた。


「でも宝が選んだのなら、良家のお嬢さんなのでしょう?お家柄のことはきちんと知っておかないと」

「家なんて関係ない、彼女だから好きになったんだ」


 宝さんがそう言ってくれるのはとても嬉しかった。
 だけど、おばさまの表情は曇り出す。


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