宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
* * *
朝、目覚めると目の前にニコニコ私を見つめる宝さんと目が合う。
「おはよう、結瑠」
「おはよう、ございます……」
まだ気だるくて起き上がれない私を抱き寄せ、額にチュッとキスをする。
「かわいい」
「まさかずっと寝顔見てた?」
「ああ、かわいかった」
宝さんはそう言ってちゅっ、ちゅっと頬や首筋に何度もキスするけど、私は涎垂らしてなかったかなぁと若干不安になる。
ああでも、宝さんとこうしてくっついて迎える朝はなんて幸せなのだろう。
「仕事行きたくないな。休もうかな」
「宝さん、今日はお店で大事な会議があるんでしょ?」
「行きたくない……」
宝さんはぎゅうっと私を抱きしめて駄々をこねる。全くもう、子どもみたいなんだから。
「オーナーが不在じゃみんな困りますよ」
「オーナーなんて名ばかりだよ。結瑠がやってくれ」
「もう、何言ってるの」
「それより結瑠、今夜デートしないか?」
「デート?」
「ああ、サウスパークの近くに知り合いがやってる創作フレンチのレストランがあるんだ。カジュアルだけど旨い店だよ」
「創作フレンチかぁ。美味しそう」
「結瑠も気に入ると思う」
外でデートするのは久しぶりだ。というより、サウスパークに行った時以来になる。
付き合ってからは初めてなので、すごく楽しみだ。
「宝さんとデートできるの嬉しい」