宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 そうして昼間は久しぶりに家事をしっかりやった。
 一人暮らしの時は家事なんてめんどくさいと思っていたけど、今はちょっと楽しいと思っていたりする。

 宝さんと一緒に生活するようになって、楽しいと思えることが増えたなぁと思う。
 それこそ毎日が宝石みたいにキラキラ輝いているようだ。


「――あ、今夜のディナー何着ていこう?」


 カジュアルなレストランだと言っていたし、ラフな格好でも大丈夫だろうか。自分のクローゼットを開けてみた。


「……いや待って、宝さんの言うカジュアルって本当にカジュアル?」


 恐らくツインタワー高層階にあるような高級レストランではないと思うけど、私が想像するカジュアルよりはフォーマル寄りなのでは?
 あり得る、宝さんの金銭感覚ならばあり得る。

 どうしよう、ちょうどいい洋服がない。


「いっそのこと買いに行こうかな」


 買ってそのまま着て行ってもいいかもしれない。思い立ったら即行動、私はデート用の洋服を買いに行くことにした。
 仕事を頑張ったご褒美に奮発してもいい。

 宝さんはどんな服が好みなんだろうとか、色々悩んだ結果マゼンタのニットにグレーとブラックのチェックのフレアスカートを合わせることにした。
 私はパキッとした色味の方が似合うのと、かわいくてシルエットが綺麗に見えるしカジュアルすぎない上品さもある。

 あのお気に入りのイヤリングも似合う。


< 146 / 167 >

この作品をシェア

pagetop