宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
コンコンとドアがノックされる。はい、と返事をすると、顔を出したのは優璃と碧だった。
「結瑠ちゃん!」
「優璃!碧!」
「おめでとう、結瑠。久しぶりだな」
「久しぶりね。わざわざシンガポールからありがとう」
「結瑠ちゃんのためならどこへでも飛んで行くよ!」
シンガポール滞在中の優璃と碧もわざわざ駆け付けてくれていた。
結婚を報告した時は二人ともすごく驚いていたけど、喜んでもくれた。
宝さんと四人でビデオ通話をし、顔合わせの挨拶は済ませているけど直接宝さんと会うのは二人とも今日が初めてだ。
「宝さんと会った?」
「まだちゃんと挨拶できてないの。お義兄さんすごく忙しそうで。でも生で見る方がイケメンでびっくりしちゃった!」
「マジで結瑠よくやったよな。まさかあんな大物捕まえるとは……」
「その言い方やめて」
「ははは!」
こうやって三人で直接話すのも久しぶりで、でも全然変わってなくて安心するしとても嬉しい。
「結瑠ちゃん、本当におめでとう。すっごく綺麗よ」
「ありがとう、優璃」
そう微笑むと、優璃は突然ぼろっと泣き出した。
「っ、ごめん!まだ始まってないのに!結瑠ちゃんの顔見てたらつい……」
「優璃……」
「あ、ダメなやつだこれ。ちょっと一回抜けるね……!」
ハンカチで目元を押さえながら優璃は退室した。