宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
「碧は優璃についていなくていいの?」
「あれは泣き顔見られたくないやつだからそっとしておくよ」
「そう」
「優璃さ、本当に喜んでたんだ。結瑠が幸せそうで嬉しいって。今日もめちゃくちゃ楽しみにしてたんだよ」
「そっか……」
優璃が喜んでくれることが、私もすごく嬉しい。
優璃は本当に優しくていい子で自慢の妹だ。
「にしても、あの結瑠が結婚かぁ……。すげーしっかり者で一人で何でもできます!って感じだった結瑠が、結婚ねぇ。やべ、俺も泣きそう」
「あんた私のお父さん?」
「つーか結瑠、ぶっちゃけ宝さん大丈夫なのか?あんなイケメン、女がほっとかないだろ。浮気されるんじゃ、」
「心配されなくても、俺は妻にしか興味ない」
いつの間に来ていたのか、少し不機嫌そうな宝さんが立っている。白タキシード姿がこれ以上なく似合っていて、何度見てもキュンとしてしまう。
「おっと、これはお義兄さん。初めまして、優璃の夫の碧です」
碧は変わり身早く、にこやかに挨拶をする。
「初めまして。結瑠の夫の宝です」
何だか宝さん、やたらと夫を強調しているような……。
「すみません、結瑠は義姉ですが妹みたいなところもあるやつで……ちゃんと結瑠を幸せにしてくれる人なのかなぁと」
「心配無用だ。結瑠は生涯をかけて俺が幸せにするから君は自分の妻のことだけ考えていればいい」
な、何なのかしら……?
何だか二人の間がバチバチしているのは気のせい?