宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
宝さんの初恋は、私なんだ。
初恋は叶わないと言われることがある。実際私は叶わなかった。
でも宝さんは、叶えてしまったんだ。
「ふふっ」
「なんで笑うんだ?」
「だって、すごいなぁって」
宝さんがこうして諦めなかったからこそ、今がある。
宝さんと初めて出会ったのもこのツインタワーだった。
あの時は一夜限りの関係だと思っていたのに、まさかツインタワーで結婚式を挙げることになるなんて。
一年前の私は想像もしていなかった。
「ありがとう、宝さん。宝さんと出会って恋をして、幸せです」
ありのままの私を受け入れて愛してくれたあなたのことを、私も心から愛している。
「宝さん、愛してる」
「……っ、結瑠は本当に……」
顔を赤らめながら宝さんは、ぎゅうっと私のことを抱きしめる。
「結婚式前に襲ってしまいそうだ……ただでさえ一段と綺麗なのに」
「! 宝さんったら……」
「ティアラもネックレスもよく似合っている」
「宝さんのデザインだもの」
私がしているネックレスも頭に乗せているティアラも、宝さんがデザインしてくれた世界で一つだけのものだ。
ネックレスはパールの中にラピスラズリが埋め込まれ、深海をイメージしたものになっている。
ティアラは小降りでシンプルなものだけど、百個近いダイヤモンドが埋め込まれ、中央にはやはり大きなラピスラズリがダイヤの輝きに負けない程の存在感と輝きを放っていた。