宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
ラピスラズリがダイヤに負けていないのは、宝さんにしかできないデザインだと思う。
私の誕生石だからと、こんなデザインにしてくれた。
もちろん結婚指輪も宝さんがデザインした世界に二つだけの指輪だ。
人気ジュエリーデザイナーを夫に持つ、私だけの特権。
ウェディングドレスもジュエリーを引き立てるためにシンプルなデザインを選んだ。
胸元が大きく開いてネックレスが映えるようになっていたり、ベールは被るタイプでなく後ろに流すタイプにしてティアラが綺麗に見えるようにしたり。
「でも、イヤリングはそれでよかったか?新しいものを作ったのに」
宝さんがそっと私の耳元に触れる。
イヤリングは新調せず、元々持っているお気に入りのイヤリングを付けていた。
「これがいいの。だってこのイヤリングが宝さんとの出会いを引き寄せてくれたんだもの」
「そうか。やっぱり結瑠のために作ったと思うくらい、よく似合ってる」
宝さんは愛おしそうに私の頬を撫で、それが合図と知って私は目を閉じた。直後唇に優しくキスが落とされる。
「誓いのキスより先にキスしていいのかしら」
「いいじゃないか。俺は神には誓わない、結瑠にだけ愛を誓うんだから」
そう言って再び唇が重ねられる。
まだ結婚式が始まってもいない控室で二人きり――何をしているんだろうという理性もあるが、それでも目の前の宝さんしか見えない。