宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
素人目ではよくわからないが、恐らく宇宙をモチーフにしたデザインなのだろう。
土星のデザインがとても可愛らしい。十分素晴らしいデザインだと思った。
「この程度のデザインしか考えられないなんて、こんなことは初めてなんだ」
「え?十分素敵だと思いますけど……」
「全然ダメだ。こんな些末なもの、とても売れたものじゃない」
素人には全然わからないなぁと改めてデザイン画を見て思った。
「とにかく、あの夜からずっと君のことばかり考えてしまうんだ。一ヶ月間ずっと探していたが、どうしても見つけられなくて」
「えっ、私のこと探してたんですか?」
「探した。あのバーに何度も通ったし、君が来たら教えてくれとマスターにも頼んでいた」
そこまでして何故私を探していたのだろう?
頭の中はハテナマークでいっぱいになる。
「だから責任を取って俺と結婚してくれ」
「いやなんでそうなるんですか!?」
「仕事が手に付かなくなる程誰かのことでいっぱいになるなんて、こんなことは今までなかった」
「それが私のせいだって言いたいんですか?」
「ああ」
彼の瞳に一切の淀みはない。本気でそう思っているのだ。
私は目眩で倒れそうになるのを何とか堪える。
「無茶苦茶言わないでください!たった一夜限りで結婚だなんて馬鹿げています!」