宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
また部長からかかってきた電話で告げられたのは、ホテルベリが丘の社宅に現在空きはないとの連絡だった。
部長はひたすら平謝りで何とか今の社宅に住めるように交渉してくれたが、長くても一ヶ月らしい。
つまり私はあと一ヶ月の間に新居を探して出て行かなければならないのだ。
流石に酷すぎると思ったが、部長があまりにも謝罪を繰り返すので文句を言う気にはなれなかった。
それにしてもどうすればいいのだろう。
流石にベリが丘では家賃が高すぎるし、なるべく行きやすいところで家賃が払えそうな物件を探さなければ。
ああもう、頭が痛い。
考えることに疲れてしまった私は、その日は早くに寝ることにした。
今日一日だけで色んなことがありすぎた。落ち着いたらマミちゃんを飲みに誘って愚痴を聞いてもらおうと思った。
* * *
翌日。くよくよしていても仕方ないので、一旦色んなことは忘れて仕事に集中する。
今日から本格的にお客様との仕事が始まる。
私が初めて担当するお客様は、杉石様という方だった。杉石不動産の社長令嬢・沙耶香様の結婚式ということで、父親でもある社長も同席した。
杉石社長はとにかく娘を溺愛していると有名で、結婚式の費用も杉石社長が出資するそうだ。