宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 そのためなのか、婿入りした夫の隼人(はやと)様は自分の結婚式なのにあまり口を挟まず、大人しく聞いているばかりだった。


「担当を務めさせていただきます、白金と申します。どうぞよろしくお願いします」

「ほほう!これはまた若くて綺麗な方だ!まあ沙耶香程ではないがな」

「もう〜!パパったらやめて〜」


 色々突っ込みたい気持ちを押し込み、笑顔で打ち合わせを始める。


「それでは早速日程についてですが」

「ドレスなんだが、特注で手配できないかな?ティアラも作りたい。もちろん『クリスタル・ティアー』のもので頼むよ」

「はい。その前にご予定を決めましょう」

「えーっ!パパったらティアラも特注で頼んでくれるの!?」

「もちろん。宝くんには前もって頼んであるからね。うちの娘にピッタリの世界で一つだけのティアラを作ってくれと」

「キャー素敵!宝さんのデザインならきっと素敵なものができるわぁ!」

「……」


 私の話なんか聞かず、勝手に盛り上がる杉石親子。隼人様は静かに二人の話を聞いていた。

 ホテルベリが丘のウェディングプランナーとなって初めての打ち合わせ。
 感想を一言で述べるならこうだ。

(セレブってめんどくさいな……)


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