宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
1.秘密の一夜
「あれー!?結瑠先輩、なんでいるんですか〜?」
出勤するなり、PCの前に向かっていた私を見て後輩の円木真珠ちゃんは驚いていた。
「今日は有給取ってたじゃないですか」
「そうだけど、やっぱり溜まってる仕事あったから出勤にしちゃった」
「え〜!?昨日だって忙しかったのに!結瑠先輩、働きすぎですよ〜!」
「大丈夫、午前中だけだから。午後休にしたの」
「結瑠先輩って、名前はゆるだけど全くゆるっとしてませんよね〜」
呆れたマミちゃんには絶対に言えなかった。全休を取っていたのに半休にした理由。
まさか昨夜、バーで出会った男性と酔った勢いで一夜を共にしてしまい、早朝我に返って慌てて帰宅しあまりにも落ち着かないから仕事で紛らわせようとしているだなんて……!!
思い出しただけで顔から火が出そうになり、どうしてあんなことをしてしまったのかという後悔に苛まれる。
二十五年も守り通した純潔は、名前も知らない初対面の男性にあっさりと捧げてしまった。
カタカタとキーボードを叩きながら、昨日の出来事を反芻する。