宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


「全く宝くんは大したものだ。『クリスタルティアー』の評価が高まったのも、宝くんがデザイナーになってからだからな」

「そんなにすごい方なんですか」

「知らんのか?業界では有名だよ」

「しかも国宝級のイケメンだもの!私も母も宝さんの大ファンなの!あ、もちろんジュエリーデザイナーとしてって意味だけどね」


 そう言う沙耶香様にネットの記事を見せてもらった。「新進気鋭のジュエリーデザイナー・金剛宝」と華々しく見出しが出ており、写真に映る金剛さんはデザイナーというよりモデルみたいだ。

 この人、こんなにすごい人だったのか。
 しかもまだ二十九歳ってかなり若いな。


「だから結婚式には是非宝さんのデザインしたティアラを付けたいわ」

「もちろんだ。白金さん、よろしく頼むよ」

「はい、承りました」


 その後日程の相談もすることができ、何とか無事に最初の打ち合わせが終わった。
 他にも披露宴の各テーブルにジュエリーを置きたいだの、お色直しは二回やりたい、お色直し用のアクセサリーも欲しいなどとにかく要望がすごい。

 要望を書き留めるだけでもかなり苦労した。
 私にこのセレブすぎる挙式のプロデュースができるのか。今から不安が募るばかりだ。

 その日のうちに金剛さんにティアラやその他アクセサリーの発注をすることになった。
 仕事とはいえ、昨日の今日で金剛さんに会うのは気まずい。


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