宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
仕事なのでそんなことは言ってられず、とりあえず電話でアポを取ろうとした。しかし今日は店にはおらず、自宅で作業しているらしい。
電話番号を聞こうとしたが、作業中はスマホの電源を切っており全く出ないことが多いらしい。
「直接ご自宅に行かれた方が早いかもしれませんよ」と自宅を教えてくれた。
できれば電話で済ませたかったのに、溜息をつくしかない。
「うわーー、すごい……」
金剛さんの自宅があるのはノースエリアの高級住宅街だ。マミちゃん曰く超セレブばかりが住んでいるという噂の。
高い塀に囲まれており、外からでも緑豊かな風景が垣間見ることができ、一線を画すラグジュアリーな空気が漂っている。
やっぱり自分とは住む世界が違うようだ。
まるで異世界に飛び込むような気持ちで進もうとしたら、門の前にいる警備員に呼び止められた。
「ここからは関係者以外立ち入り禁止ですよ」
「あ、こちらにお住まいの方にお会いしたくて」
「通行証はありますか?」
つ、通行証?
そんなものが必要だとは聞いておらず、戸惑ってしまう。
「通行証がなければお通しすることはできません」
そんなものが必要なら前もって教えておいてよ!!
私が知らないだけでベリが丘では常識なのかもしれないが、この街の住民でもなければ勤め始めてまだ二日しか経っていない。
どうしようかと悩んでいたら。