宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
「こんな豪邸にお一人で住まれてるんですか?」
「個人事務所も兼ねてるからな」
それにしたってすごすぎる。
通されたリビングダイニングもかなり広々としており、勧められたソファはシンプルながらモダンなデザインだ。
少し腰を沈めただけであまりの気持ち良さに起き上がれなくなりそうになる。
色んな意味で落ち着かないので、とっとと仕事を終わらせようと思った。
「杉石様がティアラやアクセサリーの発注をお願いしたいとのことです」
「ああ、杉石さんにはお世話になっているからな。わかった」
「スケジュールや予算感はこのようになっておりまして」
「だいぶタイトだな」
金剛さんはスケジュールを見て渋い顔をした。
正直自分でもタイトだとは思っていた。
どうしても天赦日に挙式をしたいという要望があり、何とか現状空いてる天赦日を押さえられたはいいけどかなりタイトスケジュールになってしまった。
天赦日は暦上最強の吉日で年に数回しかなく、挙式を挙げたいカップルの争奪戦になるから仕方ないのだけれど。
「杉石さんには親子でお世話になっているし、受けさせてはもらうが他の仕事はできなくなるな」
「そうですよね……」
「それに俺も生半可なものは作りたくない。ティアラはもちろん、全ての作品に手は抜きたくない」