宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
「住む場所を探しているならここに住めばいい。部屋は余ってる」
「いやなんでそうなるんですか!?」
「君が仕事に集中したいと思えば思う程、俺との繋がりは切れないものになると思うが?このスケジュールじゃ他の仕事は入れられないしな」
確かにそれはその通りかもしれない。
「でも、だからって見知らぬ男性と一緒に住むなんて……!」
「全く知らない仲でもない。俺は君が悦ぶところは知っている」
「なんてこと言うんですかっ!」
「それだけじゃない。仕事が好きなこともわかっているつもりだ。あんなに目を輝かせて話していたからな」
そうだったっけ……。
確かにこの人に仕事の話をしたような気もするけど、あんまりよく覚えていない。
「家賃、光熱費はいらない」
「ええ?そういうわけには」
「ただ一つ、俺との結婚を前向きに考えて欲しいんだ」
金剛さんは先程垣間見せたような真剣な表情で私を見つめる。
「一緒に住んでみたらわかることもあると思う。杉石さんの式が無事に終わるまででもいい。俺とのこと、考えてみて欲しい」
「な、なんで?」
本当にどうしてなのかわからない。
どうしてこの人はそこまでして私と結婚したいの?
「たった一夜、一緒にいただけじゃないですか……」
「その一夜がずっと忘れられなくて、ずっと君を探していたんだ――結瑠」