宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
3.勝負の婚前同居
「この部屋は自由に使ってくれて構わない。トイレ、風呂は先程説明した通りだ」
「はい」
今日から金剛さんのお家でお世話になることになった。
私の荷物を運び込み、豪邸について案内・説明をしてもらいながらぼんやり思った。
やっぱり同居なんて血迷った選択だったかなと。
結婚どころか付き合ってもいない男性と一緒に住むだなんて。
しかし、この同居が私にとってもメリットが大きいのは否めない。仕事がある限りこの人とのやり取りはどうしても多くなるし、今回はかなり無理めなスケジュールでお願いしてしまっている引け目もある。
しかも住む場所を探さなければいけない私にとっては願ってもない話だ。
家賃光熱費タダ、職場からも近くなるし、より仕事に集中できる。
でも、やっぱり見知らぬ男性と一緒に住むなんてなぁ……。
「あの、金剛さん」
一通りやるべきことを終え、ダイニングで金剛さんが紅茶を淹れてくれた。
紅茶を飲みながら、真っ直ぐに金剛さんを見つめる。
「改めて聞きますが、どうして私と結婚したいと思ってくださるんですか?」
これはきちんと聞いておきたいと思った。
「私たち、結婚を考えられる程お互いのこと知らないと思うんです」