宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
食事はほとんど外食派だった。デリバリーを頼むこともあるようだが、高級レストランのお弁当という一般的に想像するデリバリーとは違う。
ファーストフードやお手頃価格のお弁当ではない。
私は同居一日目から途方もない現実を突きつけられていた。
この人は正真正銘の富裕層なのだ。
だが、この生活は金剛さんのものであり、私が甘えて享受していいものではない。
「あの、自分のことは自分でやりますので。お気になさらないでください」
今日の夕飯は引っ越し祝いということで、金剛さんが頼んでくれた某高級中華料理店のお弁当だ。
一食で二千円もする五目あんかけ焼きそばはとても美味しい。
今夜だけはお言葉に甘えさせてもらったけど、こんなことは今日限りにしなければ。
「自分の食事は自分で用意します。私が料理を作ろうと思っていましたが、高級志向の金剛さんのお口には合わないと思いますし、夕飯は各自とさせてください」
「なんでそんなこと言うんだ?せっかく一緒に住むのだから、一緒に食べれる時は一緒で良いじゃないか。別に二人分頼むくらい何でもない」
「私は気にします。家賃光熱費を免除してもらった上で食費も甘えるわけにはいきません」