宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
「正直に言えば遠慮されるのは嫌だな。でも結瑠の気持ちを考慮しないわけにはいかないし、わかった。それならせめて朝食だけでも一緒に食べてくれないか?
毎日じゃなくてもいいから」
「はあ、それは全然構いませんけど、金剛さんって普段朝食はどうなさっているんですか?」
「食べない時もあるけど、食べる時は基本パンだな。ショッピングモール内のベーカリーのフランスパンが美味いんだ」
そのベーカリーなら知っている。食パンが一斤で千円近くもして驚いたばかりだ。
やはり金剛さんって高級志向なんだな。
「私はそんなに毎日贅沢はできないので、たまには安物で我慢してもらえると嬉しいです」
「結瑠と一緒に食事できるなら何でもいい」
「そうですか?」
「料理を作ってもらえるなら喜んで食べる」
あまりにも真顔で言うから何だかおかしかった。
「わかりました。先に言っておきますが、料理得意じゃないので期待しないでくださいね」
「ありがとう!」
この人、こんな風に子どもっぽく笑うこともあるんだ……。
無邪気に喜ぶ姿にちょっとときめいてしまった。
本当に大したものなんて作れないのに。