宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
お昼はお弁当だ。と言ってもおにぎりを握って朝のスクランブルエッグの残りとサラダを詰めただけの簡単なものだけど。
ベリが丘に来てから自分でお弁当を作るようになった。
何せどこもランチ代が高い。今の生活に慣れすぎないためにも、自分にやることを課さねばならないと思った。
そう言えば金剛さんはお昼はどうしているのかな。あの人なら毎日豪華なランチを食べていそうだ。
「……」
自分の小さなお弁当箱を見つめながら思った。
本当にパパッと作った簡単な朝食だったのに、あんなに喜んでもらえると思ってなかった。
正直結構嬉しかった。
お弁当とか作っても喜んでもらえるのだろうか。
「……いや、その前にもう少し朝食のクオリティを上げてみるか」
とりあえず帰りに食材の買い出しに行こうと思った。
* * *
退勤後、サウスエリアのスーパーに寄る。話に寄れば金剛さんは楽だからという理由でパンが多いだけで、ご飯も好きらしい。
ご飯も炊けないことを少し恥ずかしそうにしていたことを思い出し、思わずクスッとしてしまう。
喜んだり拗ねたり、意外とわかりやすいところもあるのはかわいいんだよな。
「――あ、優璃からだ」
買い物中に優璃からメッセージが届いた。
シンガポールで新婚旅行中らしく、マーライオンの前で楽しそうに笑う優璃と碧の写真が送られてきた。