宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


* * *


 夕食の献立はミネストローネにしてみた。あとは白いご飯にシーフードサラダ。
 ミネストローネはレシピサイトを見ていたら簡単に作れるレシピが出てきて、自分でも作れそうだと思った。

 こういう時、どうしても手間がかからないものに惹かれてしまう。


「結瑠、ワインでも飲まないか?」

「ワインですか」

「ああ、来客用にストックしてあるんだ」


 そう言って見せてくれたワインセラーを見て白目剥きそうになった。
 ずらりと並べられたワインは軽く十本以上はある。


「これ全部来客用!?」

「ああ」

「そんな良いもの空けていいんですか?」

「結瑠がせっかく作ってくれたんだから空けなきゃもったいない」


 いや、恐らくものすごく高級なワインだろうし、私の時短レシピで作ったミネストローネでは合わないと思うけど……。


「来客って頻繁にあるんですか?」

「いや、半年に一度あるかないかだな」


 そんな少ない頻度でこれだけのワインを取り揃えているなんて、やはり彼のお金の使い方は私とは大違いだ。


「すごく美味しそうだ。こんなに大変だっただろうに、ありがとう」

「いえ、本当に大したものではないので……」

「何を言ってるんだ。全部美味そうだ」

「お口に合いますかね……」


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