宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
「俺から強引に言い出してしまったが、想像以上に楽しいよ。来てくれてありがとう」
「っ、あなたってなんでそうなんですか!?」
「何が?」
「いちいちストレートすぎるんですよ……!」
そんなに真っ直ぐ伝えられると、照れ臭いというか何というか。
プロポーズもそうだけど、金剛さんの言葉はいつでも真っ直ぐすぎる。
嬉しい気持ちがないと言えば嘘になるけど、戸惑う気持ちも大きいのだ。
金剛さんとはまだ知り合って間もないけれど、とても良い人だというのはもうわかっている。
多少強引なところもあるが、私のことを気遣おうとしてくれる気持ちも感じている。
だけど、あまりにも自分とは違いすぎるから戸惑うし不安にもなる。
「……なんでそんなに私をほめるんですか?」
「え?」
「ごはんだって、舌の肥えた金剛さんには大した味じゃないでしょ?」
「そんなことない、本当に美味しい」
「そんなわけないじゃないですかぁ」
私はぐびーっとワインを一気に口の中に流し込む。何だか身体中がふわふわしていた。
「どう見えてるかしらないけど、金剛さんみたいな人に好かれるような女じゃないれす……。
未練がましくて嫌な女なんれすよ……っ」
――内に秘めていた蟠りが、心の奥底で燻っていた汚くてドロドロとした感情が湧き上がる。
ああ、ダメだ。一度吐き出してしまうと無理だった。
その後の記憶はない。途中プツリと途切れてから、目を覚ましたらベッドにいた。