宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
披露宴まで無事に終わって片付けに参加しようとしたところで、マミちゃんに止められてしまった。
「結瑠先輩は親族なんだから今日はもう帰ってください!後は私たちに任せてくれて大丈夫ですから」
一個下のマミちゃんはブライダル部門に配属されてからできた初めての後輩で、見た目はゆるふわのフェミニン系女子だけど仕事は真面目でとても頼りになる。
とはいえ、やっぱり何もせずに帰るのは担当プランナーとして気が引けたので、簡単な後処理だけ手伝って帰ることにした。
「お疲れ様でした。すみませんが、後はよろしくお願いします」
そう言って帰ろうという時、廊下で一人のご老人がうずくまっているのを見かけた。
私は急いでご老人に駆け寄る。
「お客様、いかがされましたか?」
「ああ……大丈夫。持病で少しふらついてしまってな」
「すぐに係の者を呼んで参ります」
「いや大丈夫じゃ。少し休めば問題ない」
私は気がかりだったが、そのご老人の意思を尊重してとりあえずベンチに座っていただいた。
裏からお水をいただいて差し出す。
「どうぞ」
「すまない、ありがとう」
「私は当ホテルのスタッフですから何なりとお申し付けください」
「スタッフ?綺麗なドレスを着とるようじゃが」