宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜


 着替えた私はドタバタとダイニングに降りた。
 テーブルには二人分の朝食が用意されている。


「あのっ、昨日私何かしましたか!?」

「何か?」

「えっとその、酔っ払ってご迷惑をかけたりとか……」


 私は大学生の時と社会人になってから、二度酔い潰れて記憶をなくしたことがある。
 大学生の時はサークルの飲み会で酔い潰れ、家が近い友人が一緒にタクシーに乗って送ってくれた。
 二度目はマミちゃんと初めて飲んだ時で、仕事の愚痴から女子トークまで会話が盛り上がりすぎてお酒が進んだ結果二件目で潰れた。

 マミちゃんには「しっかり者だと思ってた結瑠先輩のゆるゆるな姿見られて新鮮でした」と言われたが、後輩の前で醜態を晒したことになる。

 三度目はまさか男性の前で酔い潰れて記憶をなくすなんて……最悪すぎる。


「何かというか、下の名前で呼ぶことになったのにまた金剛さんに戻るのはいただけないな」

「は?」

「昨日言ったじゃないか。仕事じゃない時は下の名前で呼んでくれと。了承してくれたのに」

「いや知りませんね??」


 まるで記憶がない上にどんな会話をしていたというのだ。


「昨日は呼んでくれたぞ」

「それ、本当に私ですか?」

「ああ。あまりにもかわいくて録音しておきたかったくらいだ」

「はあっ!?」


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