宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
宝さんはちょっと大袈裟に、噛み締めるように頷いた。
「俺も自分が作ったジュエリーを手にして喜んでもらえた時が一番嬉しい」
「わかります。自分が提案したアイデアを喜んでもらえた時めっちゃ嬉しいですもん」
「あと実際に身に付けてくれているところを見た時もな。それが非常に似合っているとまた嬉しくなる」
「宝さんのジュエリーがよく似合う女性がいたってことですか?」
どんなセレブで美しい女性なんだろう。もしかして女優かモデルかもしれないな。
「ああ、今俺の目の前にいる」
「…………ん?」
あれ、宝さんの目の前って――。
宝さんは私の目を見て、クスッと微笑みかける。悪戯な色っぽい視線に思わずドキッとしてしまった。
もしかしてそれ、私のこと――?
「あまりにもよく似合っていて、俺は彼女のために作ったのかと錯覚したよ」
「えっ、えっ」
「しかも初めてデザインしたイヤリングを一目惚れだと言ってくれた。それも嬉しかったな」
「……っ!」
私のことだ……!
確かにあのイヤリングはクリスタル・ティアーのものではあったけど、宝さんがデザインしたものだとは思っていなかった。
「今日はしてくれないんだなと思ってたよ」
「あれは特別な日だけって決めてるので……」
「つまり結瑠にとっては特別な夜だったわけか」