宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
ちょっと不思議に思いつつ、今の時刻を確認する。もうすぐ十九時になるところだろうか。
意外とまだ時間に余裕がある。明日は有給休暇をもらっているし、せっかくなら行ってみようと思った。
「……一人で打ち上げをするのも悪くないかもね」
私はホテルを出る前にトイレに寄って化粧を直した。
結婚式だから派手なメイクは避けたけど、これから未知のVIPエリアに行くなら少しくらい似合う女になりたい。
よれたファンデーションを直し、ハイライトを入れてメリハリを復活させる。
アイシャドウはゴージャスなビビッドパープルに、シルバーの大粒ラメを重ね合わせてジュエリー感を演出。
まつ毛はしっかりと上げてカールさせ、唇にはルビー色のルージュを引く。
耳のイヤリングは付け替えることにした。
お気に入りだったけど、結婚式には派手すぎると思ってやめたシルバーイヤリングだ。
とあるジュエリーショップで見かけ、一目惚れしたイヤリングだった。かなり良いお値段だったけど、自分へのご褒美と思って購入した。
ダイヤモンドが花の形になっており、シルバーのプラチナと合わさってゴージャスで華やかな印象を与えてくれる。
黒のドレスにもよく映えるし、これならVIPエリアに行っても追い返されはしないだろう。