宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
この細やかさは本当に見事だった。私も完成品が早く見たくて仕方ない。
「沙耶香様、絶対気に入ってくださると思います!ありがとうございます!」
「白金さんが色々とアイデアを持ってきてくれるから捗ったよ」
それから仕事の話をする時は、私のことを白金さんと呼ぶ。
メリハリをつけて向き合ってくれるところも好印象だった。
「それと披露宴の装飾なんだが、キャンドルケースを作ろうと思っているんだ」
「キャンドルケースですか」
「沙耶香さんがアロマキャンドルに凝っているという話にヒントをもらってな。披露宴の各テーブルにキャンドルを置いて、そのケースがジュエリーだったら綺麗じゃないか?」
「すごく素敵です!想像するだけで綺麗ですね!」
「ではそれでいこう」
こうしたお客様の好みに合わせたアイデアやデザインを思いつくところには脱帽しかない。
「金剛さん、お時間ない中でありがとうございます。間違いなく素敵な披露宴になります」
「白金さんのおかげだよ。沙耶香さんの趣味嗜好をよく把握して教えてくれるからこそ、俺もアイデアが生まれるんだ」
「そんな、大したことないです」
「ただ、一つ気がかりなことがある。新婦の趣味ばかり反映されてしまうが、いいのかな」