宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
その時ちょうど頼んでいたパエリアがきた。
気がきくマミちゃんはパエリアを取り分けながら話を続ける。
「話聞く限りめっちゃ好きだと思いますけど?」
「そうかな……」
「だって好きでもない人と一緒に住もうなんて言います?」
「それは……」
「はい、結瑠先輩の分です」
「ありがとう」
マミちゃんが取り分けてくれたシーフードパエリアをちびちび食べながら、うーーんと唸ってしまう。
その時スマホの通知が鳴った。
噂をすれば何とやらで、宝さんからのメッセージだった。
「宝さんからですか?」
「ええ……終わったら迎えに行くから店を教えて、って」
「ほら〜〜!やっぱりめっちゃ好きなんじゃないですか!」
「そうなのかな」
「――で、結瑠先輩は?宝さんのことどう思ってるんですか?」
「私は……」
それがよくわからない。
なんて答えたらいいのかわからなくてモゴモゴしていると、マミちゃんがクスリと笑った。
「ふふっ、真面目な結瑠先輩らしいですね」
「え、何が?」
「だって中途半端に言いたくないからわかんないって顔してますよ?」
「……よくわかるのね」
「ずっと結瑠先輩の背中見て仕事してましたから。あ〜でも嬉しいな〜!何気に結瑠先輩と恋バナするの夢だったんですよ〜」