宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
7.溢れ出る想い
「杉石様!?お式をキャンセルしたいって……!!」
私は翌日、朝早くから出勤していた。
昨夜の電話は沙耶香様からだった。なんと結婚式をキャンセルしたいとの申し出が。
色んな意味で一気に酔いが覚めた私は早く寝て早く起き、早朝から出勤してこれまでの挙式、披露宴のプランの見直しを行っていた。
そして午前中急遽沙耶香様と相談することに。流石に今日はお父様は一緒ではなかった。
「何か私どもの方で不手際があったでしょうか……?」
「いえ、違うんです。白金さんはとても良くしてくださってて感謝してます」
「ならどうして……?」
「〜〜っっ、うわああああああん!!」
急に大声をあげて泣き出す沙耶香様。号泣されるとは思っておらず、オロオロしながらハンカチを差し出し、沙耶香様が落ち着かれるのを待った。
「沙耶香様、大丈夫ですか?」
「うう、ごめんなさい……実は、彼からやっぱり別れてくれって言われてしまって」
「ええ!?」
「訳を聞いても僕じゃ君を幸せにできないからって……きっと私のことが嫌いになったのよ……っ!!」
「まさか、そんなことは」
「でも彼は優しいから、はっきり嫌いって言ってくれないんだわ!!」
そう言ってまた泣きじゃくってしまう。
まさか隼人様から別れを切り出したなんて。
でもどうして……?