宝石みたいな婚前同居〜一夜限りのはずが強引御曹司に迫られています〜
とは言え、その後社内のミーティングだったり別の打ち合わせで忙しくかなりバタバタしてしまっていた。
上に相談してみたら、「キャンセル料が必要になるしそもそもあんなに大掛かりな挙式をキャンセルにしてしまうのはもったいないよねぇ」と、やんわりどうにか説得しろ、と言われた。
全くもう、私だってどうにかしたいけど、これは当人たちの問題でもあるのに。
とりあえずは沙耶香様に相談して一度隼人様とお話させて欲しい、とお願いしてみようと思う。
沙耶香様に打つメールを考えていた時、先輩プランナーが興奮気味に私のところへやって来た。
「ちょっと白金さん!白金さんにお客様よ!」
見れば他のプランナーも何だか色めき立ってザワザワしているような。
何だろうと思いつつ出てみると、そこにいたのは宝さんだった。
「金剛さん!?どうされたんですか?」
「ちょうどうちの店に彼が訪ねてきてな」
そう言った宝さんの後ろから申し訳なさそうに顔を出したのは、隼人様だった。
「隼人様!」
「すみません、この度は僕のせいでご迷惑をおかけしております」
初めて会った時と同じように、丁寧に腰を曲げて頭を下げる隼人様。とりあえずは応接室にお通しすることにした。