私が一番近かったのに…
「それじゃ、次は男子チームの自己紹介を始めます!」
これはもうお礼を言えるような雰囲気ではなかった。
せっかく場の空気を読んで、助けてもらったというのに、完全にお礼を言うタイミングを逃してしまった。
私ってどうして、いつもこうなってしまうのだろうか。おどおどせずに、もっと堂々と振る舞えるようになりたい。
アルバイトをして、少しは変われたような気がしていたが、実際は違った。ただ慣れきった環境に甘えていただけに過ぎなかった。
こんなんじゃもう、愁を忘れるどころか、一生このままかもしれない。
せっかく、変わるために合コンへ来たのだから、次こそチャンスを掴んでみせる…。
「そんじゃ、次は蒼空の番な」
蒼空…さん。この人が私を助けてくれた人だ。
よし。一先ず、名前は覚えた。あとはタイミングを待つのみ。
「蒼空です。よろしく」
蒼空さんの挨拶は、あまりにも素っ気なかった。
そのせいか、女性陣は蒼空さんに対して、怖そうで、近寄り難いという、マイナスな印象を持ったみたいで、興味がなさそうにしていた。
「そんじゃ、自己紹介も終わったことだし、席替えタイムにしよう」
ついに、合コンの定番イベントが来てしまった。お気に入りの男女が隣に座り合うことにより、自分が求められているのかどうかが分かる。
慣れていない私は、なるように身を任せるしかなかった。
せめて、蒼空さんと席が近くなれたら、先程のお礼が言えるので、蒼空さんの近くに座れたらいいな。
今はなんとなく、蒼空さんのことが気になっていた。それはきっと、どこか愁に似ているからなのと、私を助けてくれた人だからだと思う。
それだけでも充分、今の私にとっては、気になる存在であった。
「俺、幸奈ちゃんがいいな」
「あ?なんだよ?俺も幸奈ちゃんがいいんだけど」
私の知らないところで、男性同士の争いが繰り広げられていた。女性陣はその状況に一歩引いていた。
どうやら、今日の合コンはあまり良くない合コンのようだ。
私だけが男性陣のターゲットになってしまったのも大きいが、何よりこの態度であろう。
ノリが合わなければ、とことんつまらない合コンになってしまうのだと、初めての合コンでそんなことを学んだ。
これはもうお礼を言えるような雰囲気ではなかった。
せっかく場の空気を読んで、助けてもらったというのに、完全にお礼を言うタイミングを逃してしまった。
私ってどうして、いつもこうなってしまうのだろうか。おどおどせずに、もっと堂々と振る舞えるようになりたい。
アルバイトをして、少しは変われたような気がしていたが、実際は違った。ただ慣れきった環境に甘えていただけに過ぎなかった。
こんなんじゃもう、愁を忘れるどころか、一生このままかもしれない。
せっかく、変わるために合コンへ来たのだから、次こそチャンスを掴んでみせる…。
「そんじゃ、次は蒼空の番な」
蒼空…さん。この人が私を助けてくれた人だ。
よし。一先ず、名前は覚えた。あとはタイミングを待つのみ。
「蒼空です。よろしく」
蒼空さんの挨拶は、あまりにも素っ気なかった。
そのせいか、女性陣は蒼空さんに対して、怖そうで、近寄り難いという、マイナスな印象を持ったみたいで、興味がなさそうにしていた。
「そんじゃ、自己紹介も終わったことだし、席替えタイムにしよう」
ついに、合コンの定番イベントが来てしまった。お気に入りの男女が隣に座り合うことにより、自分が求められているのかどうかが分かる。
慣れていない私は、なるように身を任せるしかなかった。
せめて、蒼空さんと席が近くなれたら、先程のお礼が言えるので、蒼空さんの近くに座れたらいいな。
今はなんとなく、蒼空さんのことが気になっていた。それはきっと、どこか愁に似ているからなのと、私を助けてくれた人だからだと思う。
それだけでも充分、今の私にとっては、気になる存在であった。
「俺、幸奈ちゃんがいいな」
「あ?なんだよ?俺も幸奈ちゃんがいいんだけど」
私の知らないところで、男性同士の争いが繰り広げられていた。女性陣はその状況に一歩引いていた。
どうやら、今日の合コンはあまり良くない合コンのようだ。
私だけが男性陣のターゲットになってしまったのも大きいが、何よりこの態度であろう。
ノリが合わなければ、とことんつまらない合コンになってしまうのだと、初めての合コンでそんなことを学んだ。