私が一番近かったのに…
「ねぇ、愁。私、愁のことが大好き」

今、この瞬間に気持ちを伝えたかった。今まで好きと言えなかった分も、たくさん声に出して伝えたい。

「俺も。幸奈が大好きだ。ずっとこの先も変わらずに…」

再び二人の唇が重なり合った。優しいキスをしているだけなのに、気持ちが溢れ出してしまいそうになった。

「幸奈、俺が必ず幸せにするから。これから先もずっと俺のことだけを見ていてほしい。
せめて今だけでもいいから、約束してくれないか?」

大丈夫だよという意味を込めて、私は愁を抱きしめた。どうか私の気持ちが伝わりますように…。

「私はこれから先もずっと愁だけを見つめることを約束します」

一旦、愁から離れ、おでこにキスをし、そのまま愁の手を取り、優しく手を握った。

「こんなにたくさん愁のことだけを見ているのに、まだ足りないの?」

「まだ足りない。もっと俺のことを見てほしい。俺のことしか考えられなくなってしまうくらいに…」

「そんなの、もうとっくに叶ってるよ」

愁の目をじっと見つめる。愁の目に私はどう映っているのだろうか。
どうか可愛く映っていると信じたい。

「私だって、愁にずっと私のことだけを見てほしいって思ってるけど、でもそれ以上に、いつまでもあなたの一番近くに居たいって思ってるよ」

今度は愁が空いてるもう片方の手で、私の手を優しく握った。
お互いにまた見つめ合った。次第に愁の表情が和らいでいき、優しく微笑みかけてくれた。

「俺、今が幸せすぎて、一気に色々この先のことを考えすぎてた。ありがとう、幸奈。お陰で目が醒めたよ」
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