私が一番近かったのに…
さっきのお返しと言わんばかりに、今度は私がおでこにキスをされた。
おでこが熱い。愁の唇の感触が広がっていく。

「俺も幸奈に一番近くにいてほしい。一番近くじゃないとダメだ。生涯ずっと…」

愁の目の色が変わった。獣のような飢えた目をしていた。
その目で見つめられてしまうと、私の身体は逆らえなくなり、従順になってしまう。

「幸奈、好きだ。いや、愛してる……」

暫くずっとキスをしていた。もう気持ちが爆発してしまい、抑えきれなかった。
きっと大人からしてみれば、私達の恋愛はまだまだ子供の恋愛ごっこに過ぎないのかもしれないけれど、それでも私達はこの小さな恋を、少しずつ大きな愛に変えていくことができると、今はそう信じている。
見えない未来に対しての不安はもちろんあるが、今は不安な気持ちよりも、あなたを好きな気持ちの方が大きい。
私にはあなたしかいなくて、あなたには私しかいない。この先も変わらないと信じている。

いつか永遠の誓いを交わす日が訪れますように……。


「うん。私も愛してる…」


          ─END─
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