私が一番近かったのに…

番外編:君との距離を縮めたい〜愁side〜

お前のことが誰よりも好きだから、お前の気持ちが分からなくて、俺はずっと不安だった。
今までの女は、手に取るように分かりやすかった。
俺は釣った魚に餌をあげたら、飽きてしまうタイプだ。

でも、お前だけは違った。これが初恋だと気づくのに、時間がかかってしまったが…。
距離感も分からずに、踏み込みすぎては焦って。嫌われたくないから、慎重になりすぎてしまった。

だからあの時、間違えたことにさえも気づかなかったのかもしれない。焦って苛立ってる自分を認めたくなかったから。
完全にお前への当てつけだったと思う。ごめんな。たくさん辛い思いをさせて、たくさん傷つけて…。

だから、俺はもう一度、お前に好かれる男になるために変わるって決めたんだ。お前を守れる男になると…。
これはまだ俺と幸奈が結ばれるよりももっと前の始まりのお話。
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