私が一番近かったのに…
やっと名前で呼べる距離感になれた。
そして、俺はようやく幸奈を遊びに誘うことができた。
夏休みだからという、在り来りな分かりやすい言い訳までして…。
幸奈の反応が一々可愛いすぎて、困っている。
俺は幸奈の全てにドキドキしてしまう。初恋恐るべし。

幸奈って俺のことを好きなはず……。
もし、これで違ったら、幸奈は天然で男をイチコロにしてしまう魔性の女だ。
好きであってほしい。好きじゃなかったら、俺の純情な気持ちを返してくれ。

もう童貞なんてとっくに捨てたはずなのに、幸奈のことになると、まるで童貞に還ったみたいだ。
幸奈のことを考えていたら、心だけじゃなく、俺の身体まで反応してしまう。
畜生。好きな女の子の笑顔を思い浮かべただけなのに、男ってのはこういう時、虚しくなる。心だけ満たされない感覚に陥るから。
いつか、幸奈とこんなことができる日が訪れるのだろうか。

もし、幸奈とそんなことをする日が訪れたら、幸奈はどんな反応をするのだろうか。少し想像してみた。

『私、初めてなの。だから、優しく抱いてくれますか?』

赤らんだ顔と潤んだ瞳で上目遣いをし、俺を惑わしてくる君に、俺は我慢できなくなり、襲いかかる。

『俺をそんなに煽って楽しい?そこまでして、俺に抱いて欲しいの?』

俺が襲いかかると、更に君は頬を赤く染め、恥ずかしがる。
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