私が一番近かったのに…
でも、それができなかった。答えを知りたくない。きっと今よりもっと傷つくことになるかもしれないから。
まだ告白するわけでもないのに、私の胸はザワついていた。
今思えば、きっとこの時からなんとなく察していたのかもしれない。
だから、私は怖くて逃げ出したのだと、今になってようやく分かったのであった。

しかし、この時の私はこの先に何が待ち侘びているのかなんて、まだ分かっていなかったので、この違和感を解消したいという思いの一心で、結局、あのコンビニへ足を運んでしまった。
こういう時に限って、彼が居た。会いたい時は会えないのに、会いたくないと思った途端に会えてしまうなんて…。
しかも、この間、呼び捨てにしていた彼女までいる。

呼び捨てにし合うことなんて、よくあることだ。
私だって、クラスメイトの親しい異性のことを下の名前で呼び捨てにするし、逆に呼び捨てにされることもある。
苗字で呼ぶよりも、下の名前の方が呼びやすい人もいる。
きっと彼のことを皆、下の名前で呼び捨てにしている可能性だってある。
何度も心の中で言い訳を繰り返しても、余計にモヤモヤするばかりだった。

やっぱり、もう諦めて帰ろうとしたその時、私は見てしまった。彼が彼女のことを愛おしそうに見つめているのを…。
それから私は、すぐに走り出していた。胸が苦しくて上手く息ができない。
やっぱり、コンビニになんか行かなければよかった。
最初から運命なんて、簡単に信じなければよかったんだ。
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